背中を鍛えるというのは、筋トレを始めたばかりの方にはとっては、あまり馴染みがないことなのではないでしょうか?
実は「背中を制する者はショーを制す」とまで言われているほど、かっこいい身体を作るためには重要な部位になります。
まずは背中を鍛えるメリットから紹介していきます。
背中を鍛えるメリット
背中は人の体のアウトラインを決める筋肉で、かつ大きな筋肉になるので、鍛えると非常に大きなメリットがあります。
基礎代謝が上がる
背中の筋肉は身体の筋肉の10-15%を占めています。そのため、背中の筋肉を鍛えることで、基礎代謝を上げることができます。
身体のアウトラインに迫力が出る
自分の目で見ることができないので、わかりにくいですが、実は身体のアウトラインを決めているのは背中の筋肉です。身体の厚みは僧帽筋中部で作られ、身体の広がりは広背筋で作られます。逆三角形の身体をつくるには、広背筋を鍛えることが欠かせません。
姿勢が良くなる
主に脊柱起立筋を鍛えることによりますが、背中がしっかりと伸び姿勢が良くなります。また、僧帽筋を鍛えることで、猫背も改善されます。
背筋の構造
背筋を鍛えるためには、まず背筋の構造を正しく理解することが重要です。
というのも通常、身体の前の筋肉は自分で確認することができるため、意識がしやすく鍛えやすいのですが、背筋は見えないため、意識しにくく、筋肉を正しく鍛えるのが難しいのです。特に、筋肉が発達しておらず、神経が通っていないトレーニング初期は、どこの筋肉を動かしているのか、しっかり意識しながらトレーニングするようにしていきましょう。
脊柱起立筋を鍛えるメリット
- 姿勢が良くなる
- 身体バランスが良くなる
- 腰痛が予防できる
脊柱起立筋は身体全体を支える筋肉なので、鍛えると姿勢が良くなります。
体幹が鍛えられるので、身体のバランスがよくなり、空中姿勢やとっさの動作の精度が向上します。
また、骨盤が立つようになるため、腰痛予防にもつながります。
脊柱起立筋の鍛え方
脊柱起立筋は上体を反らすときに使う筋肉です。
脊柱起立筋を鍛え、かつての剣豪のような、すっとした立ち姿を手に入れましょう。
デッドリフト
- 肩幅程度で脚を開き、バーが足の甲の中心ぐらいに来るようにして、立ちます
- 腕は自然におろしたあたりで、バーを握ります
- 背中が一直線になるように固め、尻を突き出し、自然に膝を曲げます
※ひざはバーから少し出るぐらいです - ここで、バーを持ち上げます。まずは、脚で持ち上げるイメージです
ひざが伸び切る前ぐらいまで、脚で持ち上げます - 途中から背中に切り替えます。背中を立てていきます。ここでは、脊柱起立筋がメインで使われているイメージです
※背中が丸まってしまわないように注意してください。ケガの危険性が高まりますし、僧帽筋に入ってしまい、思ったように脊柱起立筋・広背筋に刺激を入れられません。 - 挙げきる8割ぐらいのタイミングで、肩甲骨を寄せて上げます
※最後のこの部分のひと手間を加えることで、広背筋に刺激を入れられます。背中はたくさんの筋肉があるため、意識をすることが重要です - 下ろします。下ろす際は一気に下ろすのではなく、力を抜かずに荷重を感じながら下ろしていきます
ハーフデッドリフト
筆者の場合、通常のデッドリフト(床引き)だと、脚が鍛わってしまうことと、かつケガをすることが多いため、ハーフデッドリフトをトレーニングに入れています。
- 脚を肩幅程度に開きます
- 手幅を自然に腕を下ろしたぐらいの幅にします
- 背中をしっかりと伸ばし、バーベルを引き上げます
※重量が重いと背中が丸まってしまうことがありますが、できるだけ曲がらないようにしましょう。背中が曲がってしまうと、僧帽筋上部に刺激が逃げてしまい、本来鍛えるはずの脊柱起立筋・広背筋に刺激が入りません。 - 荷重を感じながらバーベルを下に下ろします
重量は、最初は80kg程度でフォームを確認し、徐々に上げていきましょう。
最終的には、5rep×5セットでセットを組めるような重量でトレーニングできると良いと思います。
僧帽筋を鍛えるメリット
- たくましい上半身を手に入れることができる
- 肩こりを予防できる
僧帽筋を鍛えると、上半身に厚みができるため、たくましい上半身をつくることができます。筋トレをたくさんしているのに、周りに圧力を与えるようなボディラインにならない、という方は僧帽筋を中心に鍛えてみましょう。
僧帽筋の鍛え方
僧帽筋は大きく上部、中部、下部にわけることができます。
それぞれについて鍛え方が異なるので、各種トレーニング方法を紹介していきます。
僧帽筋上部の鍛え方
ダンベルシュラッグ
1分40秒あたりでダンベルシュラッグの説明があります。
動画内では、バーベルシュラッグとダンベルシュラッグ両方の説明がありますので、両方見ていただければと思いますが、文字ではダンベルシュラッグについて説明させていただきます。
- ダンベルをもって、腕を自然におろし、胸を張ります
- 肩をすくめ、上下させます
※動画では、肩を回しています。肩を回すことで、僧帽筋の中部にも効かせられますので、試してみてください。
僧帽筋中部の鍛え方
ベントオーバーローイング
ベントオーバーロウです。この種目は難しいので、トレーニングを始めたばかりでうまくできないことが多いです。背中の筋肉の動きを感じられないという方は、後述するデッドリフトやシーテッドロウなどのトレーニングをして、背筋に神経が通ってから始めるといいかもしれません。
- 肩幅より少し狭い幅で立ちます
- 主に小指と薬指でバーを握ります
- 背中を真っすぐ伸ばしたまま、前傾します
- バーをみぞおちに向けて引きます
重量は、最初は30kg×8rep×3セットで実施するのが良いと思います。
また軌道を安定させるのが難しいので、スミスマシンで実施するのもおすすめです。
アイソラテラルローイング
ローイングは僧帽筋上部・中部・下部すべてのトレーニングに活用できますが、ここでは僧帽筋中部メインの紹介ということで、動画の2分ぐらいの部分を見てみてください。
- 椅子をバーを引いたときに、腕が身体の真ん中になるぐらいの位置に設定します
- 内側のバーを握ります
- 肩甲骨を開いた状態でバーを握ります
- 胸を張りながらバーを引きます
※いかに可動域を広くとって、引くかが非常に重要なので、肩甲骨を毎回最大限開閉するイメージで動かします
※引き切ったタイミングで一瞬止めるようにし、刺激が入っていることを確認すると、僧帽筋に効かせやすいです
重量は、20kg×8rep×3セットから始めて、フォームを確認しつつ、自分にあった重量を検討してみてください。
僧帽筋下部の鍛え方
シーテッドロウ(ロープーリー)で僧帽筋下部を鍛えることができます。
とにかく骨盤を立てて、背中で引く!という意識でトレーニングしましょう!
- 脚を突っ張る
- 骨盤を立てて、胸を張る
- 肩甲骨を開いて、腕を伸ばし、引くときは肩甲骨を寄せます
(これを繰り返す)
重量は、最初は、40kg×8rep×3セット程度で実施するのが良いと思います。
なかなかどこに刺激が入っているのか、わかりにくい種目なので、とにかく肘を後ろまで引き切るという意識でトレーニングすることが重要です。
結局、肩甲骨をどのぐらいの可動域で動かせるか?ということが背中の筋肉を使えているか?ということに直結します。
広背筋を鍛えるメリット
- 逆三角形の身体を作る
- ウエストを引き締める
- 姿勢が良くなる
広背筋は鍛えても変化が見えにくい筋肉ですが、鍛えるとメリハリのある逆三角形ボディをつくることができます!美しい女性のハートを射止めるためにも何としても鍛え上げましょう。
広背筋の鍛え方
広背筋は、背中の下部を覆うようについている筋肉です。
そのため、広背筋を鍛える際には、肩甲骨を斜め下に引き下げる意識で取り組んでください。
ラットプルダウン
- 肩幅よりすこし広めに握る
- サムレスグリップで小指と薬指で強く握る
- 肩関節を外旋させて(肘を内側にいれて)、胸を張る
- 肩甲骨を斜め下に寄せるイメージで引く
- バーは鎖骨とみぞおちの間に下ろす
※最初から重量をかけるとフォームが安定しないので、フォームが安定するまでは、コントロールできる重量で実施しましょう!
フォームが安定するというのがわからん!という方!いると思います。
私も一人でやってるのにわからんだろう、、、と思っていたのですが、
3週間ほどトレーニングした頃、効かせることができ、こういうことか!と腑に落ちるタイミングがありました。
チンニング(懸垂)
- バーを握ります。懸垂の動きをする際には、薬指、小指で握るイメージで握ります
- 脚を組みます。懸垂の姿勢で膝を身体の後ろに持ってくるようにすることで、広背筋を緊張させます
- 身体を背中の筋肉で全身を引くイメージで、持ち上げます。
※このときトレーニングを始めたばかりの頃は、ほとんど上腕二頭筋で引いてしまうと思うのですが、慣れるまでは背中を使うイメージで継続していると、あるとき神経系が発達して、背中の筋肉をうまく使えるようになります。
デッドリフトから始めるかっこいい背中の作り方まとめ
背筋の代表的なトレーニングをまとめました。いかがだったでしょうか?
これらのトレーニングを正しいフォームで確実に重量を挙げていけば、すぐにかっこいい背中の片鱗が見え始めると思います。
辛抱強くトレーニングを続けていきましょう!
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